間違った発声が引き起こす6つの怖い病気

昨日のグラミー賞でパフォーマンスしたAdelの歌声にヒヤヒヤした方も多いのではないでしょうか?

ベルティングやミックスを使いこなす歌姫達であっても、緊張や発音などちょっとしたことで一度喉や顎に力が入ってしまうと元に戻すことがとても難しく、締まり続ける喉はやがて声の崩壊を引き起こしてしまいます。

Adelはパワフルな声と素晴らしい歌唱力の持ち主ですが、過去に声帯の手術も受けているんですよね。

今日は歌手なら知っておきたい「喉締め」「張り上げ」が起こし得る健康被害について。

1. ポリープ

喉の病気で一番メジャーなのがこの声帯ポリープ。みなさんも聞いたことがあると思います。声帯にできる血腫(血豆)により声帯がうまく閉じられず声枯れが起こる状態。「裏声が出なくなった」という症状から発覚することが多い。
初期では安静と吸入で回復する場合もありますが、手術を行うのが主流のようです。術後しばらくは声が出せません。

2. 声帯結節

声帯の両側左右対称にニキビのような「コブ」「ペンだこ」のようなものができます。
初期であれば吸入と声の安静で良くなる場合がほとんどですが、症状が進んで結節が硬くなっていると手術で取り除きます。しかし、とてもデリケートで難しい手術だそうで、切除した傷跡が硬くなり、声帯がうまく閉じられず、元の声に戻らない場合もあるようです。

3. けいれん性発声障害

痙攣性発声障害(SD=SpasmodicDysphonia)は、声を出そうとすると自分の意志と無関係に声帯が異常な動き方をしてしまう病気です。そのため声が詰まったり震えたりして、苦しく絞り出すような声になってしまいます。息漏れ声、かすれ声になるケースもあります。脳の大脳基底核という部分の異常によって起こるジストニアという疾患の一種と考えられています。原因は不明です。
SDは大きく3つのタイプに分類されます。
・内転型:最も患者数が多いタイプ。声を出そうとすると声帯が過度に内側に閉じようとしてしまうため、締めつけられて絞り出すような声になってしまう。

・外転型:声を出そうとすると声帯が開いてしまうため、息が漏れるようなかすれ声や失声状態になってしまう。
・混合型:上の2つの症状を併せ持つ。
(参考引用元http://sdcp.bumi2.com/?page_id=110)

4. 喉・舌・顎ジストニア/発声時頸部ジストニア

ジストニアの主な症状は「けいれん」。
原因は不明と言われていますが、発症する部位が「酷使する場所」ということで、「職業病」の一つとも言われています。書道家は字を書くとき手に、歌手は歌唱時に喉や顎、舌に、筋肉が自分の意思と関係なく痙攣を起こしてしまいます。

※ けいれん性発声障害・頸部ジストニアを持つ方々にベルティングレッスンを行い、劇的な改善がみられたことがあります。それについては次回。

5. 咽頭癌・喉頭癌

喫煙者は肺・お酒を飲む人は肝臓…というように、ガンという病気はその方が長い間酷使しストレスがかかった体の部分に発症することが多いそうで、熱いお茶をストローで飲む習慣のある地域では、喉に繰り返しかかるストレス(やけどや炎症)が原因で咽頭癌を発症する人がとても多いことも発表されています。

近年プロの歌手の方がのどの癌を発症するニュースをよく耳にしますが、有名人だけではなく、歌を趣味とする方で咽頭癌を発症する方も少なくないようです。

特に「お酒+たばこ+喉に負担がかかる発声」この組み合わせのある方は生活を見直した方が良いでしょう。

6. ステージ恐怖症・パニック障害

張り上げや喉締めをしている限り、100%安心して歌うということはできないでしょう。
「声が裏返ったらどうしよう。」「むせたらどうしよう」「今日はあの高音ちゃんと出せるかな?」「最後まで声が枯れずに歌いきれるかな?」このような心配や恐怖を毎回ステージ前に感じることは心身ともに相当なストレスになります。それでなくてもヴォーカリストは色んな面で多大なプレッシャーがのしかかり責任も大きい職業。ステージ恐怖症やパニック障害は自分の「歌いたい、歌うのが好き!」「もっと頑張れる!」という意思に関係なくある日突然襲ってきます。

いかがでしたか?

私は2番と6番の経験者ですが、ベルティングを習得して大きく世界が変わりました。
人生で一つだけ後悔することがあるとしたら、20代前半でベルティングを知っていればなぁとつくづく思います。

「健康的で信頼できる喉づくり。」

実際、歌唱がとても楽になるストレスフリーな発声方法はあります。
5年後、10年後、30年後も伸びのある声で歌っていたいですね。

次回はとても厄介な病気「けいれん性発声障害とジストニア」の方をレッスンした時のことについてお話します。

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